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引き続き地震関連の話。
金曜夜からずっと原発のニュースばかり追いかけていた。土曜日夕方に福島第一原発一号機で建屋が吹っ飛んだのを見た時は本当に驚いた。政府・東京電力側も予想外だったようで、夕方6時頃の会見はかなり混乱していたし、内容も驚くほど中身がなかった。どうなるかと心配したが何とか体制を立てなおしたようで、午後9時前の会見では爆発の原因や今後の対応策などの具体的内容が明らかにされた。今朝になって今度は三号機の冷却に問題が生じたが、対応は比較的しっかりとしていて、昨日の経験が早速生かされている印象を受けた。
今回の対応に批判的な声もあるが、設計基準を超える地震が起こった中でよくやっていると思う。原発というのは信頼性工学の面ではあらゆる産業の中でも最先端を行っている分野であり、素人が想像する以上に何十にもフェイルセイフが機能している。例えば、水素爆発で建屋が吹っ飛んだ光景はセンセーショナルだったが、よく考えると、骨組みが無事なまま壁だけが綺麗に吹き飛ぶのはおかしい。多分あの建屋は爆風の圧力を外に逃がす(中の原子炉を守る)ためにわざと弱く作ってあるのだろう。事態は未だ予断を許さないとは思うが、不安を煽る記事に振り回されて素人が疑心暗鬼になってもしょうがないと思う。
心配な点はちゃんと説明して欲しいが、細かい点にごちゃごちゃ文句を言わず、敬意を以て対応を見守りたい。できるなら、後で落ち着いた頃に、実際何が起こっていたのかをドキュメンタリーにまとめて欲しい。きっと学ぶことが多いものになるに違いない。
2日半が経過して死者1万人規模という数字が出始めた。仙台市内など都市部はインフラも回復しつつあるようで、問題は津波被害を受けた海沿いの街々だ。10mを超える津波で街が壊滅状態になっているところが多いので、「海岸沿いの街の人口の合計」と「避難が確認された人数」の差がそのまま死者・行方不明者になってしまうかもしれない。
震災地域が広いし、津波で道路が寸断されているので軍隊を投入する必要性が高いと思う。既に自衛隊10万人を投入しているが、それで足りるのだろうか。もっと大型ヘリを投入して孤立した被災者の救出や物資搬送を大々的に行なった方が良いんじゃないかという気がする。
震災の恐ろしい映像が毎日テレビで繰り返し流される。だんだん映像が充実してきて多様な角度から今回の震災が放映されている。Youtubeにも映像が上がっていて、PSTDになりそうなほどリアルなものもある。
一方で、暖かい話を目にする機会も多くて癒される。
心に残るつぶやき: http://prayforjapan.jp/tweet.html
節電ポスター: http://setsuden.tumblr.com/
節電は東京電力管内の受給バランスの話しなので、節電したから被災地に電力が回せるという話ではないと思うのだけれども、そういう話なんか問題じゃないほどの愛情に溢れている。
海外も応援してくれている。
今日話題になっていたイギリス・インディペンデント紙の一面の画像。 (http://twitpic.com/491e7k)
何だか話が一周して、過度にこういうムードを煽るのは如何なものか、といった記事まで出てきた。確かにこういう言動を他人に強制したりファシズム的に日本民族を持ち上げるのはいきすぎだと思うけれども、自然な感情として出てくるものはどんどん表に出して、他の人にシェアをしていけばいい。例えそれが誤解であったとしても、偽善であったとしても、それで勇気づけられる人がいるのならばそれは正義と言って良いと思う。