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福島第一原発にヘリで放水をしたりしていた3月17日頃に、もし首都圏に避難命令が出たらどのくらいの期間で避難できるのかを試算しました。ファイルを整理してたらその時の計算結果が出てきたので、一応アップしてみます。
前提としておいたのは下記4点。
- 全員が東京を起点にして脱出するものと仮定
- 帰省ラッシュ程度の混雑状況(+荷物の量)で動くものと仮定
- 交通手段は、鉄道、航空機、自動車の3つ
- 脱出方向は、東海道方面、中山道方面、及び北陸経由関西行きの3つ
1.鉄道
1-1.新幹線
700系の定員(C/B編成)は1,323人。これが乗車率200%(新幹線の乗車率限界は220%)で10分間隔で24時間運行すると仮定する(一日で6×24=144本運行)。東海道新幹線と上越新幹線でピストン輸送するとした場合、一日の輸送人員は、
1,323人×200%×144本/日×2(東海道+上越)=762,048人/日
1-2.在来線
東海道線に使われる車両(211系0番台ロングシート中間車)の車両定員が、座席64+立席92=156人。これが10両編成で、乗車率200%(在来線の乗車限界は250-300%程度)で、これまた10分間隔で運行すると仮定。これが東海道本線、中央本線、信越本線の3路線でピストン輸送するとした場合、一日の輸送人員は、
156人×10両×200%×144本/日×3=1,347,840人/日
→ よって鉄道合計で 762,048+1,347,840=2,109,888人/日
2.航空
羽田空港の発着枠がピーク時で1時間あたり出発32回/到着29回。このペースでB777-300型(525席)が24時間ピストン輸送すると仮定。
30回/時×24時間×525=378,000人/日
3.自動車
2008年お盆での高速道路の一日当たりの利用台数は、東名高速442,361台、中央道257,989台、関越道196,219台。GWの時も含め、前後数年間ほぼ同じ水準なので、とりあえずこの数字を使って計算する。なお、1台の平均乗車人数を3人とする(参考:日本の世帯平均人口が2.46人)。
(442,361台+257,989台+196,219台)×3人=2,689,707人/日
ということで、東京からの脱出に関する輸送能力は、
鉄道:2,109,888人+航空:378,000人+自動車:2,689,707人=5,177,595人/日≒500万人/日
一方、避難すべき人数は一都三県で、
東京都13,050,454+神奈川9,029,996+埼玉7,190,817+千葉6,201,046=35,472,313人
原発から半径300km圏内ということで考えるとこの他に栃木、群馬、茨城、山梨、福島、新潟、宮城、山形、岩手、秋田が入り、この10県の人口合計は18,163,148人となる。
なので、多めにとって対象者はこの合計として、
35,472,313+18,163,148=53,635,461人≒5千万人
ということで、5千万人÷500万人/日=10日間で全員脱出できる計算になる。
ただ、故障や事故が起こる可能性もあるし、パニックで混乱が起きて効率よく動けない可能性も大きい。で、効率が仮に1/3に落ちるとすると、退避に要する時間は1ヶ月。
また、避難命令を出すのが遅れると、風向きによっては一定時間屋内退避などをしなければなったりでさらに効率が落ちるので、2-3ヶ月かかるかもしれない。でも、そんなにかかったら事態がさらに悪化して逃げ切れない人が沢山でそう。
ということで、最後の方になるとだんだん概算が大雑把になってきて、参考になるのかどうなのかよくわからなくなってきたのでボツにしたわけですが・・(笑)。
折角なので、これを題材に頭の体操でもしていただければ。