地震後3日目-計画停電

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都内は今日は計画停電の話で大混乱だった。

土曜日あたりから話には出ていたが具体的内容が提示されず、ようやく出てきたのが日曜の夜。案の定月曜朝から大混乱で、私も今日の予定はこのせいで全てキャンセルになってしまった。東電と政府には批判が集中した。結果的に、計画停電のほとんどは実施されたかったが、それがさらに批判の勢いを強める形になった。

ただ、これは簡単にはいかない話だ。そもそも、需要予測が当たらない。

通常、需要予測は過去の実績に基づいて行われるが、今回の場合では、節電によりどの程度の効果が出るかがわからない。3月14日午前では想定需要3,800万KWに対して実績は2,900万KWにとどまった。鉄道が大幅に運休し、それが通勤を阻害したことが要因だろう。

で、さすがに運休しすぎなので15日は状況が変わる。となると需要も当然ながら変わることになるが、どの程度に変わるかが見えづらい。鉄道を走らせるだけならその電力相当分を加味すればいいが、それで通勤できた人が企業活動を行う分もあるので簡単にはいかない。

昨日の実績である2,900万KWと、平時の需要である4,400万KWの間になることは間違いないが、そのどこで落ち着くかの予測は難しい。しかもそれがリアルタイムに変動するのだ。15日の計画停電の予定は朝5時頃までに決定するそうだが、いくら考えても昼間の需要変動を予測しきれるとは思えない。

もちろん、少し多めに停電させてしまえば「予定通り」の状況は作り出せるが、東電としても余力がある限り電力を供給しようとするので、なかなか予定通りです、というわけにはいかない。この辺はジレンマだと思う。

ある程度「節電モード」の生活が安定してくれば需要予測もできるようになり、ある程度計画的な動きになってくると思うが、それまでにはしばらく時間がかかりそうだ。

昨日の混乱の原因の一つに、どの地域が停電するのか分かりにくいというものがあった。東電の配電網の管理単位は市や区といった行政単位とは若干違い、町単位で話をしなければならないのだが、その辺りのコミュニケーションがうまくいっていなかった。「○○市の一部が」というのは外部への説明には良いが、当事者への説明としては不正確すぎる。

今回のケースは需要者も巻き込んだ「節電オペレーション」の設計・運用をする話であり、この辺りの認識がまだ消化不足ということだと思う。

オペレーションという点で言えば、停電時の対応として考えるべきこともいろいろある。信号なども止めるならば交通整理の要因も必要だし、事故も起こる確率もゼロには成り得ないので事故対応体制もとっておく必要がある。交通だけでなく、エレベータに閉じ込められるといった事故も間違いなく何件かは起こるので、その対応も必要だ。

これは東電だけで解決できる問題ではない。
社会全体の問題であり、本来的には政府が音頭をとってとりまとめてゆくべき問題なのではないかと思う。

昨日から、鉄道各社と東電との話し合いが持たれたようで、基本的なインフラのところから調整が始まりつつある。鉄道会社は複雑なオペレーションの運用に長けているし、東電も元来はそういう強みを持つ会社でもある。明日以降、事態が大きく改善することは期待できる。

ただ、新しいバランスが見えてくるのには少なくとも1週間くらいはかかるだろう。
それまではしばらく混乱が続くということを前提にいろいろ予定を立てておいたほうが良いと思う。

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