地震後3日目-原発関連

(読了時間=約 2 分)

引き続き地震後のお話。

福島第一原発

今日昼前、福島第一原発の三号機が水蒸気爆発を起こした。何故かいつも爆発の初期報道の時にテレビを観ている。爆発の様子が前回よりも大規模なので肝を冷やしたが、格納容器は大丈夫だったようで何よりだった。というか、あの爆発でも平気な格納容器ってどんだけ頑丈なんだ。

夕方は二号機の冷却水ポンプの燃料切れで注水ができなくなり、燃料棒が全て水面上に出てしまう事態となったが、再度水を注入して水位は上がりつつあるようだ。最悪の事態は免れているもののまだトラブルが続いている。結局、1号機~三号機全ての燃料棒が溶融し、全てに海水が注入される事態になっている。

本日になって海外から詳しい解説が流れてきた。

一番はこれ、少し長いが丁寧な説明で分かりやすい。何十にも防衛戦を張っる原発の設計思想やそれが破られた時にどういう対応をしてゆく様子も説明されている。

MIT研究者Dr. Josef Oehmenによる福島第一原発事故解説
別の人の手による翻訳もあり、こちらの方が若干読みやすかった)

夕方に配信されたちらのエントリではNYTの記事が紹介されている。

政府見解と食い違う日米専門家の意見 ‐ 木谷哲夫

基本的な問題として何故水を注入し続けても水位が上がらないのかというのが疑問。配管に穴が開いてるんじゃないかとも思ってしまうが、これについては上のNYTの記事では「容器内の圧力が高いので”膨らんだ風船に水を入れる”ような状態になり注入が進まない」と記述されている。

これが本当かわからないが、いずれにしても何らかの問題があることは事実。これが解決されない限りは、不安定な状態は解消し得ないだろう。
大前研一さんもBBTで東日本巨大地震について話をしていて、半分くらいに相当する5分過ぎから50分くらいまで原発の話をしている。

BT757ch 東日本巨大地震

彼はマッキンゼーの前は日立の原子力技術者だったので、設計思想の考え方など聞いていて興味深いものがあった。情報的には上の記事とあまり変わらないけれども、説明が分かりやすいので時間ある人はどうぞ。

原発に関する政府対応

政府報道に関する情報開示体制には大きな改善が見られた。三号機の爆発から40分で枝野官房長官が会見を行い、爆発についての事実を認め、格納容器は破損していないという最も重要な点をまずアナウンスした。その後、原子力保安院も会見し、さらに東電自身も会見を始めた。ひと通り情報が出揃った後で、再度、枝野官房長官が事実関係を総括するような会見を行う徹底ぶり。土曜日のドタバタからは雲泥の差だ。

一連の会見では、枝野官房長官が良い仕事をしていると思う。他の政府関係者と比較して極めて内容が具体的で、状況を自分なりに理解している様子も感じられる。感情に訴えるようなことはせず、余計な修辞もない。「あー」とか「うー」といった言葉も挟まない。記者の質問にも的確に対応している(言える言えないの問題はあるが、少なくとも質問内容を理解していない回答はない)。

大前研一さんのビデオでも42分ころからその話になっていて「そうだよね~」と思わず頷いてしまった。以前の国会答弁とも違う雰囲気なのだそうで、この危機の中で何らかのブレイクスルーがあったのかもしれない。いずれにしてもこの人がこの局面の中でこの役職にいたことは幸いだったと思う。

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