日本はなぜ世界でいちばん人気が…

(読了時間=約 1 分)

少し移動が多かったので、「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか (PHP新書)」という本を読んでみた。

日本企業が苦戦する中、日本にもまだまだポテンシャルがある、という論調が定期的に出てくるがその多くは根拠希薄な感情論でがっかりすることが多い。この本もどうせその一つかと思って手を出さないでいたのだが、プリンタの交換用インクの補充発注をする際に気まぐれでポチっとしてしまった。

第一章は食、第二章はモノづくりで、そりゃまぁそうでしょう、という感じ。でもこの二つを並べてみると、何かをストイックに掘り下げて改善してゆくのが好きな特性という点で根っこは共通した話なんじゃないかという気もする。

第三章はもったいない、という言葉から自然と共生する姿勢の話になり、そこから日本語は歴史の古い言語だという話に流れる。第四章は日本の和について。欧州での戦争と日本の戦争との概念の違いなど、知らないことがいろいろ書かれていて面白かった。

第五章、第六章は神道とか天皇の話。p180-181にある世界各国の王朝交代の歴史が面白かった。確かにこうして見ると日本は非常に安定している。日本語の問題も含め、長期間安定的に独自文化を積み上げて来た結果が日本の特徴でもあるわけで、この辺をもう少し掘り下げたら面白いのにと思ったけど、話は少し違う形で終了。

後半になるにつれて論理の飛躍が大きくなり、だんだん著者の意見に賛同しづらくなってくるが、目新しい事実がいろいろ書かれていて面白かった。また、既に知っていることもこうして並べると新たな発見もある。

ちなみに、外人との雑談のネタ本としてはそれなりに使える気がする。

「昔の天皇の住居(京都御所)にはお堀がなかった」という話をイギリス人に紹介したら、「セキュリティはどうなってたんだ」から始まって最後には「二千年もの間、誰も彼を殺そうと思わなかったの?」なんて質問が出てきた。その殺伐とした前提は何なんだ。この辺がカルチャーギャップってやつですかね。

ということで、あんまり肩肘張らずに気楽に読むのが良い本だと思う。


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