能力評価(1/2)

(読了時間=約 2 分)

コンサルティング業界における人の能力評価はかなり細かい。

プロフェッショナルであれば、プロとしての自分を支える能力について非常に細かい理解をするようになるのは当然。コンサルタントの場合それは「考えるて問題解決をすること」が仕事なので、それを細かくブレイクダウンして能力を定義し、メンバーを評価するような形になっている。

その評価軸を見ることで、問題解決をするということがどういう能力の結果なのかということが浮き彫りになると思うので、少し具体的に書いてみることにする。


どの会社でもそうであるように、あまり重要でない指標もあるのでそれは省略し、重要なもののみを記述する。具体的には、「コンサルタントとしての仕事の質」と「チームワーク」である。

「コンサルタントとしての仕事の質」というのは、大きく4つに別れている。

1-1. 仕事のマネジメント

これはまず、仮説思考の理解だ。論点はこれだよと言ったのに、翌日違う分析をしてくるのは駄目。最初は自分で仮説を作れなくてもいいけど、仮説を検証してゆくという思考スタイルに沿って動くことは必須だ。でないと、翌日全然話が違うものと作ってしまったりして検討が前に進まない。

次に、仕事の組み立て。ある調査をするとして、まずリサーチファームに依頼を投げて、その返答を待つ間に自分でWebサーチを行う、で、夕方からそれを分析して夜に資料にする。といったワークプランを自分で作り、実行できなければならない。でないと短期間で検討を進められない。

最後に、仕事の進捗管理。基本的に時間制約のある仕事なので、ハマって全部が遅れたりパニクったりするのは厳禁だ。また沢山の仕事をハンドリングする能力も当然ながら求められる。一方、途中で無理そうだと思ったら早めに泣きを入れるのも能力のうちだ。

1-2. 調査・分析スキル

まずリサーチ能力が高くないといけない。

文献調査では、いろんなソースを使いこなして情報を短期間で広く集め、沢山の情報の中から本当に必要なものを見つけ出す能力だ。沢山の情報読むことに慣れないといけないし、良い情報を見つけるセンスも重要だ。ガセネタに振り回されないのも調査スキルの一つとも言える。

インタビューや実地調査なども重要だ。フットワークの重くてそもそも動かなかったり、インタビュー依頼しても全然アポがとれない人は駄目。逆に、この面で優れた人は100%対面インタビューに持ち込み、仲良くなって、競合他社から原価に関わる情報まで聞き出すこともある。

分析能力も重要だ。これは定量と定性に分けて議論されることが多い。

定量分析というのは数値指標を使った分析のこと。エクセルが使えないというのはハンディキャップにもなる。また、エクセルができても基本的に数字が苦手な人というのがいて、資料の縦計横計が合わなかったり、シミュレーションの計算ミスに気づかなかったりということもある。これらは勿論改善の対象だ。

定性分析というのは、インタビューの内容を整理して示唆を導き出すような能力だ。一種のリテラシーが必要になるし、また、心理量を明示化するような側面もある。いずれにしても、数値分析とは異なる能力が求められる。

1-3. ソートリーダーシップ(Thought leadership)

ソートリードというのは一般にはあまり聞かない言葉だが、「思考を牽引する能力」のことだ。皆が悩んでいる時に方向性を示して答えに至る道筋を明示できる能力や、深い洞察力(insight)などがここに含まれる概念だ。敢えて言うならばコンサルタントとしての価値の根源がこの能力だとも言える。これは大きく二つに分かれる。

一つは、面白い発想力。新しい切り口や興味深い視点など、誰も気づかなかったようなアイデアを生み出す能力があるのは評価される。例え大学卒業したばかりのコンサルタントであっても、優秀な人はそういった面で一瞬のキラメキを見せることがある。そういうのは我々は絶対見逃さない。

もう一つはこれと対極だが、優れた吸収力・理解力。新しいコンセプトや考え方が示されて時に、それを素早く理解し、それに則って自分のパートを再考できる能力が期待される。これは意外に簡単な様で難しい。人は自分の考えにこだわってしまいがちだからだ。Open mind にいろんなアイデアを受け入れ、それを吸収して自分のものにするフレキビリティは、コンサルタントとして必要なスキルでもある。


少し長くなってきたので今日はここまで。
次回に続きます。。。

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