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東京電力の電力需要グラフが公開されたが、このデータを使ったエヴァンゲリオン風サイトが現れた。
下の方には輪番停電のスケジュールも出ていて、結構作りこんでいる。東電の元データは1時間ごとの更新なのに、こちらのサイトは5分ごとに更新なんだそうで、無駄にリアルタイムだ。一体何を更新してるんだろう?
前回、リアルタイムの需要をみてハラハラドキドキ感なる使い方もあるのかなぁという話をしていたが、よく見るとデータは更新までは最短でも1時間半(例えば、15:00のデータが16:30になって反映される)なので、かなりタイムラグはある。上のエヴァ風サイトはギミックでリアルタイム風に見せてるけど、ここまでやるとかなりお遊びになってしまう。
せっかくなんだから、もうちょっと電力需要予測を理解する材料に使ったらいいのにと思う。
データの更新は1時間半遅れだが、計画停電を実施するか否かといった比較的大きな判断をするための需要予測であれば、データのリアルタイム性は必要ない。東電も計画停電の予定を最短でも2時間前にアナウンスしている。内部での判断はそれなりに前もってできているはずだ。
大雑把に言うと、次の3段階のロジックで需要予測してるんだと思う。
1. 前年同時期の需要値がベース
需要は季節と曜日(平日か休日か)によって大きく変わるので、同じ時期・曜日のデータを需要カーブとして考える。今の開示データだと「前年の相当日」がそれに当たるが、曜日が勘案されていないように見えるのでそれは独自に補正した方が良いかも
2. 節電・経済停滞の補正
震災後に行われている節電努力や経済そのものの停滞による需要減を補正する。この二つは別の要因だけれども分けて取り出すことは難しいのでひとまずまとめて補正した方が良さそう。具体的には、「前日の実績需要」と「前年の相当日の需要」との比率を使う。ただし、計画停電をすると実績需要が低く抑えられてしまうので、これは別途補正擦る必要がある。
3. 気温などの影響補正
気温が低くなると暖房需要が増え、夏場には冷房需要の影響が出る。気温は天気予報からとれるので、あとは需要変動をもたらす気温の閾値と何%程度需要変動するかのデータがあれば予測できる。
ということで、東電さんには是非、「計画停電の影響」と「気温などによる需要変化の経験則」の2点をを追加で開示して欲しい。
それによって、需要者側でも需要変動の先読みができるし、それによって節電努力の力加減も前もって予測できたりして、せっかく出してくれたデータをもっと有効活用できると思う。
ま、データが開示されなくても概算で出そうと思えば出せるので、近いうちにガチな需要予測アプリが出てくるかもしれないけどね。
3/26追記: 東電によると1グループ500万kWだそうだ。25区分だと一区分100万kWということか