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震災後に注目されたのは特に福島原発事故に関して、元日立の原子力技術者である彼の説明や分析が的を得ていたことだと思う。コンサルタントは基本的に思考力や分析力、洞察力で勝負するわけだけども、こういった能力は正しい知識がないと大ハズしすることもある。知識だけで勝負するのは邪道と言いながらも、知識はやっぱり必要なわけです。そういう意味で、コンサルタントとしての基本スキルが十二分にある人が、知見のある業界の話をするというのはまさに鬼に金棒。そういう意味で、私も大前さんの今回の件に関するビデオはお薦めしてきました。
今回(4/3アップロード分)は原発に関する技術的な話はだんだん少なくなり、事後処理や今後の復興計画の話なども交えていろんなテーマを詰め込んだ形で、よりニュースバラエティ的な内容になっていると思いました。業界知見を活かしているという点でお薦めできるのは14分くらいまでのところ。後は、所謂「大前節」なので好きな人はどうぞといった感じでしょうか。私は好きだけどこれは好みの問題だろうし、そのまま真に受けるよりはこの刺激を活かして自分で考えを整理するという趣旨で受け止めるものだと思うので。
ちなみに、コンサルタントとして上の方にいる人は、「話術」をちゃんと練習している人が多いです。プレゼン技術じゃなくて「話術」です。具体的に言うと、落語なんかをよく聴いて技を盗むと良いなんて話を聞いたりします。大前さんのビデオ(3/19分)見た時などは、それが色濃く出てました。例えば26分57秒当たりからの下記のトーク。
『・・・これはもう全く想定外の津波で、プラントが水浸しになっちゃったと。これは非常要電源、まぁディーゼルジェネレーターですね、などが、恐らく水没してると思います。このジェネレーター、地下にあります。これも運が悪いですね。もっと高いところに置いきゃよかったんですけれども、悪いことってのは悪いときに一番直しにくいところで起こるって言うマーフィーの法則の通りでね。でしかも負圧にするその取り入れ口が海の方に向いてんです。だからそっち側にこういう風に開いたものがあって、そっからこう空気を取り入れるようになってて、そこを水がバサァーっといっちゃいましたから。地下は恐らく水没してると思うんですね。・・・』
言葉の端々がそうなってることを見てとれると思います。こういうのはNHKに出てくる解説者とか大学のセンセイとかの話よりもかなり分かりやすく感じたりするわけです。
見る際にはこういうテクニックにも注意して貰えると、番組をより多角的に楽しめるかもしれません。