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福島第一原発は今日午前中にいろいろな動きがあった。二号機で爆発音があり、圧力抑制室に亀裂ができ、格納容器も損傷した。また、点検のために停止中だったはずの四号機でも水素爆発が起こり、火災が発生した。二号機付近では爆発後に8,217μSv/h、三号機付近では400mSv/hという高い放射線が計測されたため、一部を残して作業員が退避した。
流れは良くない。今まで問題なかった二号機・四号機に問題が拡大した。二号機では注水はしたものの水位回復に成功できなかった。さらに、作業員を退避させなければならなくなって現地での作業や現状把握が大きく損なわれる形になった。対応が追いつかず状況に押されているように見える。対策も「注水するしかない」というだけの状況になりつつあり、疲労感が見える。
報道管制なのか自粛なのかわからないが、遠隔カメラによるライブ映像も放映されなくなり、全体的に抑制気味の報道になっているように見える。事実関係の解明よりも不要なパニック抑制の方が重要なフェーズに入りつつあるのかもしれない。
ただ、まだ勝負は終っていない。関係している方々は諦めず最善の努力を続けていると信じている。いろいろ問題があるかもしれないが批判はひとまず置いておいて、動向を見守りたい。
水素爆発で吹き上げられた放射性物質が他の地域まで漂っていることが観測されている。東京でも今日昼頃に数値が高くなるようなデータがアマチュアの人によって計測された。100CPMが1μSv/hに相当するらしいので、ピークでも1μSv/h以下ということになる。しかもそれは一瞬で、すぐに平常値のレンジに戻っている。

ただ、これは今朝の爆発とは関係ないだろう。福島と東京は260km離れているそうで、現地の風速は1-2m/sだ。風速1m/sは時速3.6kmなので、260km先に到達するには72時間かかる。一号機の水素爆発か、三号機の水素爆発かいずれかのものではないかという気がする。
となると、今朝放出されたものが来るのは明日か明後日か。でも風向きの問題もあるし雨が降ると空中の粉塵は天と一緒に地上に落ちてしまうだろう。ジェット気流に乗るほどの高度まで吹き上げられれば逆に予測がしやすいと思うけど、対流圏での粉塵の行方を予測するのは難しいのではないかと思う。
距離が遠いので放射性物質が来たとしても影響ないという話があって、確かにそれはそうだとは思うけれども、何となく気になるのが人情だ。2chに関連スレッドが立っていて頻繁に数値が更新されている。どの程度正確なのかわからないが、ついつい見てしまう日々がしばらく続きそうだ。
東京にいる外国人が続々と逃げ出している。僕の知り合いも二人は関西に退避し、もう一人は米国に戻ってしまった。海外メディアの報道は、当初から津波と原発が半々ぐらいのウエイトであり、日本のメディアではあまり紹介されていない下記の様な映像がバンバン掲載されている。読者を不安にさせまいというバイアスが働かないこともあるためか、日本のメディアより数段ストレートだ。

こういう写真をずっと見ていて、昨晩の一連の会見を見たら、そりゃそういうリアクションになるだろう。その気持は分からないでもないが、フェアに考えてこれは少し過剰反応じゃないかと思う。
今日計測された放射性物質のレベルは、日本と北米を飛行機で往復した際に浴びる放射線(190μSv)よりも低い数値だそうだ。
うまくこの程度で済んで事態が収拾したら、戻ってきた米国人の友人を捕まえて、忘れずにこの事実を話したいと思う。