首相は菅さんで良いんじゃないの

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昨日内閣不信任案が否決されたが、直前の密談での内容に疑義があったとかで民主党が内紛状態になっている。何をやってるんだというコメントがメディアやネットに溢れているが、この光景は既視感がある。過去何年もの間、こういうことが繰り返されたように感じるからだ。

確かに菅総理に不満は多い。原発事故対応を含めて一連の震災対応をうまくハンドルできていないし、浜岡原発停止など、まぁ浜岡は相当危ないものだったらしいので結論としては良いのかもしれないけど、施策の唐突感は否めない。客観的に見て、日本を率いる政治家として求められるリーダーシップを発揮できているようには思えない。

でも、じゃぁ変わりの候補として誰がいるのかというとまた疑問。小沢さんや岡田さん、自民の谷垣さんとか、、いろいろ顔ぶれはあるけれども誰に決まってもうまくいく気がしない。そもそもリーダーシップが損なわれる要因の一つは国内政治が政権構想に明け暮れているためであり、誰がトップになっても3ヶ月もすればすぐに足の引っ張り合いが始まる気がする。

それを振りほどいて突っ走れるような政治家は思い当たらない。だから、端的に言って、少なくとも現時点では、日本の総理は誰がやっても一緒なのかもしれない。

じゃぁ日本は駄目かというとそうでもない。企業経営でもそうだけれども、カリスマ的なリーダーシップを発揮できる経営者がいれば全てが上手くいくのは事実だが、そうでなければ事業が成功しないという訳ではない。組織や制度によって強さを実現している会社はあるし、優秀な経営者に依存しないため逆にsustainableだったりもする。

日本の政治の改善も、政治家のリーダーシップではなくて組織・制度設計によって解決できるかもしれないし、今の政治家の顔ぶれを見ても、それが現実的なような気もする。

政治組織・制度というと、日本の協力な官僚組織をどうするかという問題がある。これをスクラップアンドビルドできればスッキリするかもしれないが、それには多くの抵抗があるし、長期的にはともかく、ここ1-2年でがらっと替えられるかというと難しい気もする。となると、この組織の基本構造は維持したまま、どう改善してゆくかという話になる。

官僚組織の改善という点で言えば、未だ問題は多いものの、ここ数年で結構改善がされているようにも思える。情報開示や民意の吸い上げの仕組みなど、10年前と比較したら結構変わっている点も多い。いろんな努力の結果だと思うけれども、こういうのをしっかり続けてゆくのが現実解ではないかという気がする。

これを牽引するのは世論であり、その方向づけを示唆する識者であり、それを煽るメディアでしょう。で、政治家や官僚が次の選挙を気にしてそういった民の声をいち早く取り入れようとする。選挙による意思表示以前にこういったメカニズムが働いて動く部分があるのをうまく活用したら良いんじゃないかと思う。

それを考えると、総理大臣の座にしがみつく菅総理は対象としては悪くない気がする。これとこれは改善してください、でないと総理の座から降ろしますよという「プレッシャー」が良く機能すると思えるからだ。

これが新政権に変わるとなると、変えるのに数ヶ月、新政権という新鮮味で世論の矛先が鈍るので数ヶ月と、都合半年くらいロスしてしまう。

それよりは菅総理を泳がせながら、適度にプレッシャーをかけて必要な意思決定をしてもらった方が良い。浜岡原発みたいな、手続きはともかく、結果はいいんじゃないの、といったことがどんどん起こった方が、日本のためにはいい気がする。

ということで、総理大臣はもうしばらく菅さんでいいんじゃないんですかね~。
政権抗争はその筋の人に勝手にやらしておいて、僕ら国民とメディアは、現体制の「使い道」を考えようよ。

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