地震後9日目

(読了時間=約 2 分)

原発関連

今日は消防庁のチームが極めて効果的に放水をして三号機のプールに大量の海水を投入することに成功した。終了後の記者会見を見たが説明が極めて合理的で頼もしい、また、隊員とそのご家族の心情を配慮する気持ちにも心を打たれた。

食品への影響

ほうれん草などから放射性物質が検出された。例によって報道はパニック抑制バイアスが強く働いているのでノイズが多い。「サンプル調査なので全てに入っているわけではない(それを言ったらサンプル調査の意味がない)」とか「食べ続けてもCTスキャン一回分(CTスキャンというのは胸部レントゲンの50倍なので結構大きい)」とか、あまり説得力のない説明だった。

ただ、ちゃんとチェック体制が動き出しているという点では良いニュースだ。時間がかかるとは思うがしっかりチェックして正確なところを開示して欲しい。

東京から避難するかの件

未だこの議論がくすぶっていて終わったネタではなさそうので、自分の考え方を書いてみる。

東京が大きな影響を受ける可能性は低い。距離が200km以上離れているし、現地で高い放射線量が観測されてから数日経ってるが未だに大きな変化は観測されていない。専門家が指摘するように核爆発や再臨界などの可能性は低く、また、崩壊熱は時間と共に下がってゆくので既に1週間経ったこの段階から大きな変化が起こるとは考えにくい。

一方、同様の事故が過去に数多くあったわけでもないから、今後を正確に予測するのは難しい。また、現状は現地に近づけないわけで、事故がコントロール下にあるとは言い難い。さらに、首都圏は人口が多いのでもし何かが起こったら無傷で全員が避難することは現実的には難しい。

なので、結局、多分大丈夫だと思うけど、心配だよね。というのが結論。

で、逃げるかどうかの判斷でもう一つ考慮すべきなのは、逃げることによって失うものの大きさだ。仕事や勉強で一時的に日本に来ている外人や、春休み中の学生さんなどは、今の時期東京を離れても特に失うものは大きくない。だから、念のため避難しておこうという結論になっても不思議ではない。だから、知り合いの外人とか学生さんに聞かれたら、しばらく東京を離れたらいいと返事している。

一方、こちらに仕事や生活の基盤がある人、東京での「普通の生活」を続ける方が良い人は、東京を離れることによって失うものがそれなりにあるので、「心配だ」だけでは離れられない。自分はこちら側の人なので東京にとどまっている。

別に日本人だからとか、東京にむちゃくちゃ愛着があるからとか、日本経済のためだとか、そういう大義のために残るわけではない。単にこの程度のリスクで動くのが面倒なだけだ。もちろんリスクが大きくなったら結論は変わるので、その閾値は自分なりに設定してはいるけど、まだその水準じゃない。

何だかこう書いてみると当たり前の話をしてるなぁ。
なんで議論になってたんだっけ??(笑)

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