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前回は、セルを色分けすることで表の計算ロジックを構造的に見やすくする例をご紹介しました。
その事例の中では、実は他にもいくつか「構造を見やすくする」ための細かいテクニックを使っています。
今回はこれを解説していきたいと思います。
まずは素の状態
まずは、構造を見える化のための工夫を何もしていない例を出します。セルの色分けも一旦ナシにしてみました。

表としてはちゃんとして見えますが、どうやってこの表を作ったのかは全くわかりませんね。どこまでが実績で、どこからが予測かもわからず、結論だけを押し付けられているような感じです。
工夫① 実績を予想を表示
まずひとつ目の工夫は表の上に「実績」と「予想」というラベルをつけたことです。

これだけで、どこまでが実績でどこからが予想かが一目瞭然となります。
細かいんですがこれ、実績を赤、予想を青というように色分けしているのがポイントです。こうすることで、何が書いてあるかを読まなくても「4〜10月と11〜3月が違うものである」ということがまず理解できます。
かつ、字を少し小さめ(12pts→10pts)にして、代わりに太字にしています。
本当に見たいのは表の中身なので、このラベルが目立つと鬱陶しい。見やすい表というのは本題である部分を見やすくつくることが肝心であり、それ以外の部分は目立たない方が良いわけです。
なので字は小さめに。一方、先に言ったように色分けで読み手に情報を伝えているので太字にして色が目に入りやすいようにします。色も原色系の分かりやすい色にします。
逆に色だけでいいじゃないかと言うかもしれませんが、それだとその色が何を表しているかを別途説明しないといけません。パッと色分けで情報が伝わり、この色の意味はなんだろうと目をこらすと、小さい字でそれが何か書いてある。
こんな感じがちょうどよいわけです。
工夫② 色分け

工夫の二番目は前回説明した色分けです。
最終的に提出する際は色分けは無いほうが良い場合が多いのですが、作業途中で社内で話をするとかいった場合だと、このままチームメンバーと共有するということはよくやっています。
工夫③ ロジックの外出し

この事例では、予想をつくるにあたって、売上総利益率と販管費は4〜10月の実績平均を使っています。で、その4〜10月の平均をR列で一旦計算し、それを参照するようにしています。
こんな手間をかけずに、直接K〜O列のセルで計算させちゃえば良いじゃないかという人もいるかもしれません。こんな感じですね(表の上で計算式を見えるようにしています)

これは早くて効率が良さそうなんですが、こうしてしまうとセルの計算式を見に行かないと計算ロジックを確認することができません。
また、ここの数字を例えば上期(3〜9月)の平均にしようとか、別に予算上決めていた数字に使用といった議論もあると思うのですが、上の書き方だとその論点がセルの計算式の中に内包されてしまうので、分かりにくくなってしまいます。

段階ごとに表を作っておくといろいろ便利なことがあって、例えば今回の例では売上高は数字を直接打ち込んでいるわけですけれど、R列で売上の実績平均も見ることが出来るので、比較すると、大きな数字を入れているのか、平均並みなのかを確認することができます。
ということで、セル内で長い計算式を書くのでなく、ステップバイステップで過程ごとに表を作って計算を進めてゆくという手法を習慣づけていきましょう。
さらに説明不要にする
他の人と共有する場合には、さらに見やすくする工夫をしておくと良いです。

表の下に米印を付けて計算ロジックを記載します。あと、金額の単位がありませんでしたので、それも右上に書きました。
ここまでやれば、業績予想を作りました!と言ってメールにぽんと添付して送っても、ちゃんと理解してもらえるんじゃないかと思います。
ということで、現場でいちいち教えてられない細かいテクニックシリーズ(笑)、本日はこの辺で!