Excel: 構造を見える化する(1)

(読了時間=約 2 分)

現場でいちいち教えてられない細かいテクニックシリーズ(笑。今回は「構造を見える化する」です。

エクセルでいろいろな表計算をする際に、セルにいろいろな形での数値や計算式を入れます。基本的には下記の4種類になると思います。

  1. 他のシートのデータを参照
  2. 同じシート内の別の表を参照
  3. 数値を直接打ち込み
  4. シートの表内での計算

これらに応じてセルを色付けして、表の構造を理解しやすいようにしておくということです。

本日のお題

本日のお題として、業績予測を作ってみましょう。データは前回使った部門別データ。これをコピーしてきて「data」シートに値貼り付けします。

部門別のブレイクダウン付きですが、41行目からが全社計になっているのが見えると思います。10月までの実績ファイルですので、11月以降は空欄です。

で、新しい「Sheet2」に業績予想の表を作っていきます。まず、表の枠を作ります。上の「Data」シートの表をコピーして、それをもとに表を整えてみました。

まずは実績を記入

まずは10月分までの実績を記入します。

左上のD3セルで、先程のデータシートの該当セルを参照します。表の形式が同じですから、このセルをコピーして実績の範囲(D3:J12)に数式貼付けすれば良いです。

で、他シートを参照してることを表すために、シートを薄い青色で着色します。

予想ロジック①

次に、11月以降の予想ロジックを組み立てます。

まず例えば、「利益率と販管費は4〜10月の平均値を使う」ということにしたとしましょうか。

その場合は、表の右側に4〜10月の平均値を算出する列を作ります。

はい、R列のところに平均値を計算した列を作りました。

表形式はP列あたりをコピーして、一番上のR3で数式を書き込んで、R3:R12に数式コピーすれば出来上がりです。

R列ができたら、表中(K〜O列)に、このR列を参照する式を記入していきます。

具体的には売上総利益率と販管費の各費目ですね。

対象の中で一番左上のK6セルに「=$R6」という計算式を入れて、あとはそれを数式コピーすればOK。これも作業的には一瞬です。

で、作ったらセルを薄い緑で色付けします。これらのセルは、別の表(R列)を参照しているよ、ということを表しています。

予測ロジック②

次に売上、これは年末年始とかもあるので数字で直接打ち込むこととしました。

直接入力の数字を入れて、これは薄い黄色で色付けします。薄い黄色は直接入力を表しているわけです。

ちなみに、数字直接入力ではありますが、R列で4〜10月平均を出しているので、これと比較すれば平均並か多いかの感覚を得ることができます。こういう意味で、ロジックの各段階で表を作って見えるようにしておくことは役に立つわけです。

表を完成させる

残りのセルは表内のセルを参照して計算すれば算出できます。式を記入すれば完成です。

はい、どうでしょうか。

こうやってセルを色付けしておくと、表がどういうロジックで構成されているかがひと目で分かりやすくなります。こうしておくと、他の人のロジックを説明する場合もやりやすいですし、後で確認したり修正したりする場合でも、いちいちセルを一つ一つ確認しなくても良いので作業が早くなります。

ロジックを構造化する習慣

Excelは非常に自由度が高いソフトウェアなのですが、一方で、どんな作り方でも表がつくれてしまいます。Excelを使っているから自動的にロジックが構造化されることはありません。構造化は作る人間の役割です。ここを忘れて作業するからぐちゃぐちゃの、本人にしか(下手すると本人にも)分からないようなファイルができあがってしまうわけです。

作業する中で常に構造を作って、整理してゆく習慣を身につけることが、エクセル作業では非常に重要(というか基礎の基礎)になると思っています。


ということで、本日はここまで!

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