デジタル技術の取り入れ方

(読了時間=約 2 分)

昨年夏にスキャナを買ってペーパレス化をしてしまった。仕事関係の書類は全てpdfにしてiPadで見れるようにしている。机の上に積み上がっていた資料が消え、鞄の中もiPadとメモ帳だけになり至って快適だ。オフィス内でiPadを持っている人は多いけれども、ペーパレス化まで移行できた人はまだいない。紙に関わる一連のワークフローを一気に組み替えないといけないのでなかなかハードルが高いんだと思う。

自分の場合は、紙資料を全てデジタル化するのではなく、(1)頻繁に使うもの と (2)保存して必要に応じて見るもの に分けて後者のみをデジタル化している。

(1)は未だに紙媒体だ。手帳は紙の手帳だし、ミーティングメモも一旦紙に書いて後でスキャンする。こうやって紙とデジタルを自分が使いやすいように選別し、紙・デジタルのハイブリッドでワークフローを構成すると負担感がかなり少ない。

デジタル技術はずいぶん使いやすくなってきたとは思うけど、書きこむのは未だに紙の方がやり易い。フォーマットを気にせず書けるので予定表に予定以外のメモや記録も書いておける。PCでメモを打ちながら話を聞くよりも、紙の手帳にメモしながら聞いた方が相手に失礼でない気がする。人によって違うと思うけど、大事なのは、自分がやり易いところは無理に変えないということだと思う。

過去に使った資料などは頻繁に見ることもないし、後で書込みを加えたりすることもない。ミーティングメモも一旦書いてしまえば後は必要に応じて参照するだけだ。こういうのはデジタル化してiPadに入れておくと便利だ。使うかどうかわからない資料をいちいち持ち歩かなくて済む。スキャンする手間やデジタル画面で手書き文字を見る若干の違和感を上回るメリットがあるのだ。

(2)の保存資料は、比較的参照頻度が高いものと低いものとに分けて管理している。

例えば、仕事の資料は後で読み返すことが多いので基本iPadに全て入れておくが、名刺や読んだ書籍のデータはネット上(Dropbox)に保存する。仕事の資料はミーティング中急に参照したくなることが多いので、iPadにダウンロード済にしておく方が良い。iPadは常時電源ONなので、データが中にあれば概ね30秒以内には開くことができる。

一方で、名刺などは意外に見返さないものだ。常に連絡とる人は着信履歴などで残っているからだ。仮に必要になっても急ぎでということは稀なので、ネットにさえあげておけば用は足りる。もっと言うとOCRで読み込んだりもしていない。年賀状の送り先管理に、ということを秘書が言っていたが、年に一度の話なのであれば、年末にまとめて差分データを更新した方が手間がない。

ちなみに、仕事の資料のデジタル化は当初は毎日やっていたが、面倒になってきたので最近は週末に1週間分をまとめてやることにしている。毎週金曜日には鞄に紙の資料が溜まってくるので、当初の様に「iPadとメモだけ」というわけにはいかなくなったが、トータルで考えればこの方が負担が少ない。

具体的にどこで線を引くかということについては人それぞれだと思うが、大事なのは、自分なりの線引きをしっかり行い、自分にとって本当に便利なワークフローを作るということだと思う。デジタルリテラシーというと、個別の機器の使用方法への習熟のみがクローズアップされるが、一方で、このような「ワークフローの設計能力」もこれからのビジネスマンにとっては重要なスキルになっていくのではないかという気がする。


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