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肉牛が放射能汚染されたということで騒ぎが広がっている。飼料の稲わらが放射能汚染されていて、それを食べた牛が汚染されたためだ。屋外の飼料の使用制限については既に対策がされていたが、農家が作る稲わらについてはノーチェックだったようで、これが今回の騒ぎの原因ということらしい。
もともと汚染範囲が明確に判別できていない上に、汚染の封じ込めも徹底していない。個別の飼料などを規制しても、農家の作業実態を理解していなければ抜けモレが多いので封じ込めとして機能しないだろう。だから、今後もこのような問題はどんどん起こってくる可能性があると思う。
本質的な問題解決としては、とにかく検査のメッシュを細かくしてゆくしかない。その中で、大手流通が食品の自主検査に動いているのは期待が持てる。資本力のあるプレイヤーが最終顧客の声に応え、政府の動きとは独自に対応を進めるというのはいかにも日本的で、現実感が高いと思うからだ。
そんな折り、昨日富士電機から放射能測定システムが発表された。食品などを梱包状態のまま連続的に測定できる機械。測定時間は12秒。測定できるのはセシウムとヨウ素だけだが当面は十分に思える。1セット430万円からで9月初旬より出荷だそうだ。

今までこういう測定装置はなかったとのことで、震災対応で急遽開発されたものらしい。しかしまた随分とスピーディな開発だ。富士電機は結構な大企業だが、こういう対応ができるというのは素晴らしいと思う。
個人向けではエステーが家庭用放射能測定器を開発している。こちらは15,750円で10月20日から発売だそうだ。何でエステーが!?という気もするが、結構何でも作れてしまうのがいかにもまた日本企業らしい気もする。

政府の対応改善を求めるのも重要だけれども、民間企業が強みを発揮して消費者の困りごとを解決してゆくのは、日本の強さの一つだし、客観的に見てもこれが一番の現実解になってゆくのではないかという気がする。