(再認識)アップルはハードウェアで稼ぐ会社

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アップルとマイクロソフトの売上推移を比較 – Asymco」という記事を読んだ。アップルの売上げが近年の新製品(iPhoneなど)で大きく成長してマイクロソフトを抜いたというような話。

出てきたグラフはマイクロソフトのがこれで、

アップルのがこれ、

グラフ自体が面白いのでいろいろ簡易分析的をしかけたんだけれども、最初に気づいたのは、この比較はちょっと変だということ。そもそもアップルのはハードウェアの売上で、対するマイクロソフトの売上げはソフトウェア。ハードとソフトでは事業構造が違うのでそもそもそのまま比較するのが妥当なのかという話もあるわけです。

というか、改めて気がついたんだけれども、アップルってハードウェアの会社だったんだ。アップルって何となくソフトウェア企業的な印象もちょっとあったりしたんだけれども、売上構成上はコテコテのハード売りの会社なんですね。

iTMSのビジネスモデルが革新的だったりとかいう話もあったけど、MusicやSoftwareの売上構成比はそんなに大きくは無い。

利益ベースの構成を別の記事で見つけたけど、まぁ巷で言われている通りiPhoneの利益率が極めてよろしいので、利益で見てもハードが収益源であることには変わりは無い。

ウリの部分と収益源が違うという意味では、モードがウリだけれども収益源は回線トラフィック収入というドコモのモデルみたいな感じですね。

簡単にまとめると、アップルはソフトを「味つけ」にしてプレミアムハードウェアを販売して儲けるモデルなわけですね。

そう考えると、新CEOがSCM(サプライチェーン)に強い人だというのも頷ける。ハードウェアの会社であれば調達などでのコストコントロールが重要なので、そういう部門に強い人が輝くわなと。マイクロソフトだとSCMという概念そのものがないんじゃなかろうか。

さらに、AmazonのKindle fire の様な「ハード赤字」というプライシングをしないもの頷けますな。何しろプレミアハードが収益源なのだから、ハード赤字なんてあり得ない。流通業で、ハードを販促材料的に捉えることができるアマゾンなんかとは根本的に立ち位置が違うわけです。

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このモデルはソニーが目指すべきモデルだったんだろうなぁと改めて思います。ソニーはハードメーカーだし、プレミア製品を生み出す会社であったはずなので。

グラフを見ると、アップルの四半期売上げは25,000M$(2兆円)を超えて来ているから、年間ベースで約8兆円。これはソニーの売上高7兆円に匹敵する規模です。

ソニーの方が事業・製品の広がりがあって、こういう会社は事業を絞り込むと規模も小さくなるということで抵抗があったりもするけれども、アップルを見ると、イノベーティブな製品を生み出して全世界に供給すれば製品分野を絞っていても十分な規模を出せることが証明されたわけで。。

AMAZONのKindle fireの登場で、いよいよソニーのeブックリーダーも詰んだという記事も最近目にしたのを思い出したりで、何ともいえない気持ちになりました。

ということで、雑感でした。

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